一章 1

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『ギルド』 と、呼ばれるモンが出来たのはいつ頃からだろう? 俺が物心付く頃には本格的に『ギルド』と云う組織は出来上がっていた。 俺が所属しているギルドは酒場みたいな作りになっていて、其の中に大きな掲示板が置かれている。 其処には色々な依頼が貼られていて、俺達は其処から依頼を選んでこなし、金を稼ぐ。 ってなシステムになってる。 そしてギルドに所属する俺達の事を『幻想種を打ち破る者』の意を込めて『ブレイカー』と呼ぶ。 此の『ブレイカー』ってのは一応資格制で、見習いから始めて、『A級ブレイカー』からの推薦を集める事で正式に活動出来る。 何せほぼ全ての依頼が命懸けだ。 おいそれと未熟な奴に任せられるものじゃない。 正式に『ブレイカー』になるとF~Aの級(クラス)が与えられる。 っても普通はF級(クラス)から始めて、見習いから昇級した時の様に、上の級(クラス)の人間から推薦を受けて一つずつ昇級して行く。 俺の知る限り、いきなりA級(クラス)に……と言うか、いきなりE以上に飛び級した奴は一人しか居ない。 基本的には例外無くF級(クラス)からのスタートになる訳だ。 そして依頼にも級(クラス)が分けられていて、其の級(クラス)以上のブレイカーじゃないと受注出来無くなっている。 勿論、上の級(クラス)の依頼になる程、危険度は増して行く。 でも受注者が其の級(クラス)以上なら、集める協力者(パーティー)は、其れ以下でも構わない。 まぁ、命懸けである以上、滅多にそんな事する奴は居ない訳だが…… 其の中でも極稀に『特A』と呼ばれる依頼が来る事がある。 此れはパーティー全員がA級(クラス)で受けれる……なんて生易しいもんじゃない。 近隣のギルドにも呼び掛け、其の中でもトップクラスのA級ブレイカーをかき集めて挑むっていう無茶苦茶な難易度を示している。 此の度、俺が所属するギルド『ナイツオブラウンド』から、トップレベルのA級ブレイカーである此の俺、『レオン』も、此の『特A』の依頼に協力者(パーティー)として参加する事になった。
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