一章 1

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今回の『特A』の依頼は、『竜種の討伐』。 『竜種』 『魔獣種』、『魔人種』など数多くいる『幻想種』の中でも最強にあたる奴等がここに分類される。 二十数年前に現れた『黙示録の赤き竜』も、ここに分類される。 でも一概に竜種といっても力の差がかなりあるため、『下位種』、『中位種』、『上位種』、『最上位種』の四つに細かく分けられる。 『黙示録の赤き竜』は勿論、『最上位種』に分類され、他にここに入るような強力な個体は今のところ確認されてない。 今回の依頼はおそらく下位~中位にあたると思われる。 上位種にもなると、確認されている最小の個体で100m以上っていうあり得ない奴等だからだ。 そんな奴が討伐対象になるような暴れ方をしたなら、嫌でも知ることになるし、世界中のギルドから人が集められる筈だ。 今回の竜種は洞窟の中に隠れ住んでいるらしい。 なら最大でも40m前後の中位種になる、と思われる。 しかし強力な個体であることに変わりはない。 この二十数年間の内、カテゴライズが出来るくらい多くの竜種の存在が確認されたにも関わらず、討伐に成功したって話は三件しかない。 しかもその全てが信憑性に欠けている。 つまり、下位種であろうが、正直、人間にどうこうできるレベルではないってことだ。 こんな奴等に対抗するためには『幻想の武具』って呼ばれるもんが必要になってくる。 『幻想の武具』ってのは“人類の味方になってくれる幻想種”ってのが現界しなかった代わりに、この世界に現界した“伝説や神話に登場する武具”のこと。 発見されたのは二本しかないらしいが、この最初に発見された一本の模造品(レプリカ)として、昨今の武器は作られている。 今現在、作られている武器ってのは、それまでとは大きく違っている。 その一番の違いってのは『魔力増幅回路』を内蔵していることだ。 これは文字通り流し込んだ魔力を増幅させるってもんなんだけど、これを内蔵することによって、幻想種に対し、ただの武器に魔力を帯びさせて攻撃するより、遥かに高い効果を出せることが確認された。 ちなみにオリジナルである『幻想の武具』は、模造品(レプリカ)なんかとは桁違いに魔力を増幅させる事ができるらしい。
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