161人が本棚に入れています
本棚に追加
土方と沖田が不思議な青年と出会ってから三日後。
壬生浪士組屯所の門前で、広告で集まった隊士希望者を待っている浪士組の男二人がいた。
「暑い……」
「お前がいるともっと暑い。体力返せ」
「うるせーよ」
土方と沖田のような会話をしているのは、原田左之助と永倉新八。
隊士希望者を待ち構えているのだか、通りには人一人見当たらない。
それもそのはず、『壬生狼』や『田舎侍』といわれている浪士組など毛ほども興味がないのだ。
それ故、辺りはとても静かである。
「左之、誰か来たら起こせよ」
永倉は原田の返事を待たずに台の上に横になった。
そんな永倉を見て気が抜け、ならば自分もと座りながら目を閉じた。
こんな所を土方に見られたら、晩飯抜きになるだろう。
しかし土方は前日に徹夜の仕事だったため、まだ寝ている。
それをいい事にやりたい放題だ。
それから数刻が過ぎ、寝過ごしたと焦って目を覚ますと、視界いっぱいに誰かがいた。
その距離、接吻するかの如く。
、
最初のコメントを投稿しよう!