理不尽お姉さん。

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 「ふはははは」  いつまでも床にくたばっている智を足で踏みながら俺は高笑いする。  「運動じゃあたしの足元にも及ばないけどねー」 そして偉そうに高笑いをしている俺を見事に打ち抜く言葉を放つのは夏海だ。 く……!  俺が万年引きこもりのネトゲ中毒者と知りながら尚も運動を引き合いに出そうというのか!  「そうだ! お前は俺に運動では勝てない!」  夏海の言葉を聞いた途端復活する智。  事実なのだから否定のしようがない。実際俺は体育の時間はサボりタイムと自分で決めているからな。  こんな脳みそ筋肉たちと張り合ってたら体がいくつあっても足りん。  夏海に至っては男子の体育に混ざって授業受けてるし。  まあそのおかげで人数多くなって一人だけ余るから俺が休憩できるんだが。  「運動なんてやりたくもねーよ。やればできるけどやらないだけだ、俺は」  たぶん、やろうとしてもできないけど。  「負けを認――」  智が口を開いた瞬間、チャイムが鳴る。  「はいはい俺の負け負け。運動ではな。早く席戻れこの単細胞ども」  俺がそう言うと、不満気な二人はそそくさと自分の席へと帰っていった。
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