雨の降る夜

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いつもと変わらない声、いつもと変わらない仕草。 俺の横に小さく座っている彼女。 全くいつもと変わらない。 俺は恐れていた。 想いを告げて、この関係が壊れてしまうのではないか。 上手くいったとしても、いつか、恋人として別れてしまうのではないか。 そう考えると恐かった。 彼女を失いたくなかった。 隣で彼女は熱心にテレビを見ている。 この遠慮ない姿勢。 男として意識されていないのだろう。 尚更、想いを告げられずにいた。
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