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彼女はそんな俺の気持ち等知らない。
背中が痒いから掻いて。
って…
俺も男なのにな。
風呂あがりだと思われる彼女の香り。
“抱きしめたい”
その衝動と格闘しながら、彼女の背中を掻く。
抱きしめたい、抱きしめたい、抱きしめたい…。
頭が混乱してくる。
ここで彼女を抱きしめたら、彼女はどんな顔をするんだろう…。
嫌悪の顔か、いつもの顔か…。
気が付くと、彼女が俺の顔を覗き込んでいた。
どうしたの?
って、お前のせいだろ。
言ってやりたかった。
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