雨の降る夜

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彼女は残酷だ。 俺がどれだけの我慢をしているか知らない。 疲れた~。 と言って、俺の膝を枕にして横になる。 まるでじゃれつく猫の様だ。 俺の腰に腕を回し、頬をぴったりとくっつけ、眠るふりをする。 デカイ猫だな。 目を閉じたままクスっと笑う彼女。 俺は彼女の唇に触れたくて、彼女の顎を引き上げた。 このままキスをしたら、彼女はどんな顔をするだろう…。 彼女の方を見る。 彼女と目が合う。 ダメだ…出来ない。
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