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門をくぐり抜けたオレは言葉を失った。
なんとその中は外から見たときよりも学園自体が大きくなっていたからだ。要するに面積が広くなった、これも魔法の力だろうか。
「こんにちは、新入生の皆さん。こちらに集まって下さい」
オレが辺りを見回しキョロキョロしているとそんな声が耳に入った。
声のする方を向くと青いダウンジャケットを着た背は低めの男の人がオレ達新入生に向けて手を大きく振っている。
オレ達がそこへ集まると、その人は自己紹介を始めた。
「ありがとう!僕は2年1組のクラスリーダーをやっている日向です。科学界出身ですが、学園についてはほぼ把握していますので案内役を勤めさせてもらいます!」
日向さんは会釈をして、もう一人、隣にいる女の子に話しをし始めた。
女の子は頷いてから前に出てきた。そして、自己紹介を始める。
「新入生の皆、こんにちは!私は 綾瀬って言います。2年1組の副リーダーをやってます。日向くんと同じく科学界出身です。学校を案内しますのでよろしくお願いします~」
優しく微笑みお辞儀をする。てか科学界ってなに?
そんな疑問を抱きながらも、日向さんは話しを再開する。
「まずは入学式からですね。春海魔法学園の入学式は早めです、理由は僕にもわかりません」
あはは、と笑い日向さんは頭を掻き話しを続ける。
「まぁ、そんな事はいいので。これから【転移】という魔法で入学式の会場へ向かいます。皆さん、あちらの魔法陣に乗って下さい」
辺りが騒がしくなった。何かあったのだろうか。
オレはそんなのを無視して真っ先に魔法陣の中へ向かった。
「集まったね。早川先生!そんな所でケータイ弄っていないで転移お願いします!」
皆の視線がスーツを着た男を捉える。年齢は多分20代中盤。ネクタイを緩めワイシャツのボタンは第二まで外し壁にもたれ掛かってケータイを弄っている。
こいつ、本当に教師か?
「はいはい、わぁーったよ。新入生諸君、さっさと魔法陣に乗ってくれ。腕だけでも出たら大惨事だからな」
そんな事を言っている間に魔法陣が光を発し始める。
体に謎の浮遊感がに包まれたと思えば、視界が歪み景色がぐにゃぐにゃになった。
気が付けば他の場所にいた。
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