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まぁ、なんやかんやでオレは氷室と喋っていた。不思議と話しやすい奴でこいつの魔法に関しての話しはなかなか面白かった。
「そんでさ、俺はその時『静かに!校長先生がいらっしゃる。生徒は各学年ごとに集まれ』
氷室の話しを遮って年配の教師が声を張り上げてみんなを促した。
「ちょ、俺の話しまだ途中………」
氷室はションボリとしてしまった。何て言うか、話すために生きてるみたいだ。
「どんまい、また後で話してくれ」
さっきまでションボリとしていた氷室はオレの言葉を聞いて嬉しそうに。
「おう、任せろ!俺の過去の話ならいつでもしてやらぁ!暇なら、ってか俺から話し掛けて行くからな」
「別に毎回って訳じゃないし、暇なら聞くってだけだか………ら……うぐっ!?」
突如として、オレの呼吸をすると言う生理機能が壊れたかの様に酸素を肺に取り込む事が出来なくなった。いや、実際呼吸という方法を忘れた様に口が動かない。
氷室、も同じ様に首を押さえて目を見開いている。
周りの新入生も首をキョロキョロさせ焦りながら周りを見はじめた。
「だから静かにしろつったろ。ほい、解除」
後ろから多分スゴイ教師こと早川先生がオレ達に話しながら歩いてきた。
「ゼェーハァー………ゴホッゴホッ……」
少しむせた。マジで痛い……息って止められるのかよ!!
「息止められるのかよだって?魔法使えばそんなの余裕だ。使い道間違えるなよ」
今まさに使い方間違えてるだろ!普通息とめるとかないよな……窒息死するって。
「分かったら黙れ。あ、校長来やがった。早く息正して静かにしろ、そうしな俺の首が飛ぶ」
勝手過ぎだ。全く凄い人だとは思えない程酷いことしやがる。
やっと静まったオレ達を確認した後、早川はため息をついて自分の持ち場に戻って行った。
氷室はオレにアイコンタクトで「ヤバいなあの人」と言ってきた。
オレもそれに頷いた。呼吸出来ない事がこんなに苦しいとは思わなかった。
しかし、他の生徒も酷いだろ。オレ達を結局無視しやがったんだ。いや、早川が怖かったんだろう。それだけあの人の魔法は酷かった。
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