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「そんで無属性。世界で10人いるかどうか…。魔法使い相手には最強な程の実力を見せる。魔法を打ち消し、恐ろしいと言われる闇の呪いをも消し飛ばす。時代と共に消えていった属性だよ」
成る程。属性についても把握。要するにオレは希少な属性の持ち主だということ。
「多分俺の予測だが、お前ん家の家系で無属性の魔法使いがいると思うんだ。でもここで1つ疑問がある。なんで魔法を子孫に教えなかったかだ。お前さ、親が魔法使えないとか言ってたじゃん。何らかの理由で魔法を教えなかった。でも隼斗は魔法に目覚めてしまった。俺はその祖先は子孫達に危険が迫らないために魔法を封じたんだと思うんだ。すげぇ先祖様だよな!」
勝手に話しが進んじゃった……。だが、オレはあと1つ知りたい事があった。こいつに魔法が使えないと言ったらこれだよ。
その魔法に目覚める事についてだ。いくつか心当たりがある。
「あと1ついいか?その魔法へ目覚める事で何らかのの症状が表れたりするか?」
その質問にも氷室は快く答えてくれた。
「う~ん。確か俺が読んだ本に[学力が上がる]とか[運動感覚に鋭くなる]とか[視力が良くなる]だったと思う。お前もこんな事あったか?」
ああ、ある。思いっきりある。真面目に。
【香川 隼斗の回想】みたいな
オレは中学2年の夏までの人生は最悪と呼べるぐらい最悪なものだった。
学校の成績はほぼ最下位。視力が悪く眼鏡をかけていてその眼鏡が原因でよくイジメられたものだった。さらに、運動オンチで何をやってもダメ。ダメダメ人生に嫌気がさし自殺も考えていた。
だが、この夏の出来事がオレの人生を変えるとは知らずに深夜、自殺をするために近くのマンションに向かった。
時刻は午前3時を迎える頃。オレはマンションの階段を上っていた。
エレベーターもあったのだが残り少ない時間だ。自分の足で歩きたい。
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