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氷室が呪文?みたいなのを唱えて手を挙げた。
そしたら教室の天井がいきなり暗くなり上から花びら形の小さな物がふわふわと落ちて来る。
「うわぁ~すげぇ。なんか力が沸いて来る!」
クラスにいる男子が花びらに触って呟いた。
オレも他の生徒も永遠に降り続ける花びらに触ってみた。
うん、これは確かに凄い。触れた瞬間、身体の奥から力が溢れてくる。簡単に言えば何かを無性にやりたくなる感じに似ていた。
「こりゃすげぇな!俺の予測だがアシスト魔法のパワーバランスを混ぜてないか?」
後ろに座っていた早川先生が関心したように氷室に言った。
「そうなんすよ!この魔法作るのに1週間ほとんど部屋にこもりましたから!」
氷室は身を乗り出して早川にアピールをした。
「お疲れ~。んじゃ次!」
「酷っっ!!」
自分の努力を早川に伝えたつもりだったが軽くスルーされて氷室はしょぼんとしてオレの席付近まできた。そして
「次はお前の番だぜ、頑張れよ」
そうでした。次はオレの番だったな。たがここで1つ以上問題がある。
オレは魔法が使えない。しかも属性は分かったばっかり、特に得意な事はない!
そんなオレだが出番が来てしまった事実は変えられない。しょうがない……逝くか。
縁起悪い事を考えながらオレは教壇を目指した。
行く途中で何人かに声をかけられたが全て「うん」で返しておいた。
教壇に着きバクバクいう心臓を押さえてオレは自分の自己紹介を始めた。
「オレの名前は香川 隼斗。属性は無属性らしい。魔法は一切使えない。趣味はゲームや友達とかと遊ぶことだ。これからよろしく」
簡潔に、普通にありそうな内容をオレは言って教壇を後にしようとしたのだが早川先生に止められた。
「俺から質問がある。いいか?」
質問?まぁいいか
「いいですよ?」
「サンキュー。まず1つ目は香川って魔法界出身か?」
オレは魔法界という言葉を聞いた事が無かった。だから早川先生に「魔法界ってなんですか?」と聞いたら先生じゃなくて生徒に笑われた。いっきにクラスが明るくなった気がしたがオレの顔は赤くなった。
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