ショートストーリー 2人目の友達

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「そういえば、氷室が起こしにこいって言ってたっけ」 朝食を食べ終えたオレは鞄を持った時に思い出した。 昨日オレが寝る30分程前、「俺朝弱いんだよねー。隼斗明日は頼むぜ!」とか勝手に決めて部屋に帰って行った氷室。 頼まれたから仕方がない。行くしかないか…… 靴をはいて自室の扉を開けた。 と、そこで開いた扉に何かが当たった。 「いった~~」 そこには頭を押さえて呻いているシルフィなんちゃらさんが居た。 「あ、ごめん。見えなかったから」 この人はめんどくさいと判断したオレは隣の部屋に向かって移動しようとした。 しかし、後ろにいる人に肩を掴まれ引き寄せられた。 「あなた私に攻撃しておいて逃げるなんていい度胸してんじゃない」 そこにオレの知っているシルフィさんは居なかった。いや、こっちが素かな。目つきは鋭く女の子のくせして力が強い。その証拠に肩を掴む力がとんでもないことになってる。脱臼しそう…。 「ちょ、その前に肩から手退けてくれ。痛いんだけど」 顔を彼女に向け愛想笑いをした。数秒経ってから彼女は手を退かした。 「あんたって確か香川 隼斗だっけ?無属性の」 「はい。その隼斗です。さっきはサーセンでした。ではっ!」 逃げようとしたが今度は手を掴まれました。 「そういやあんたって科学界出身なんだよね?」 質問の多い娘だ。 「それがどうかしたのか?」 シルフィは笑顔をオレに向けてこう言った。 「決闘しようよ!」 「子供に付き合ってる暇はない」 決闘ってね……。小学3年生から使ってない単語ですね。しかもこんなに可愛い女の子に言われるなんてね。 「ち、違う!あんたの実力見てみたいの!てか無属性の魔法を見てみたいの!」 「あっそう。また今度な」 因みにオレは魔法が使えない。これもスルーして氷室の部屋に行こうとしたのだが。 「いいから来なさい」 手を引っ張られオレは身長150cmぐらいの少女に寮の裏の広場まで連れてかれた。抵抗も虚しく引きずられる様に連れていかれる。 「さあ!ギルドランクBの私にどこまでついていけるかしら!?」 「いや、もうすでについていけてないっす」 広場でオレとシルフィは向き合う形で立っていた。
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