プロローグ。

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「失礼します。香川です」 「お、来たか。香川、校長先生がお呼びだ。すぐに校長室に行きなさい」 まるで待ち構えていたかの様に、職員室の扉を開いたら担任の教師が立っていた。しかも校長室だ。マジで何かしでかしたのか? 「えっと……僕何かしでかしましたか?校長室だなんて初めてなもので」 教師に聞いてみると首を傾げて わからない と言っていた。 「君が何かするとは思えないからな。成績トップだからな」 うわぁ。いつものセリフだ……。 この教師は成績で人を判断する嫌な教師だ。昔はこいつに色々とお世話になった。しかし、今は手の平を反した様に対応が変わっている。生徒から嫌われるタイプ。 「わかりました。ありがとうございます」 「あ、それと香川」 オレが職員室を出ようと扉に手を掛けた所で担任に声をかけられる。 「はい?」 「君は何故南高校などという中小高校を受ける?君ならもっと、むしろ日本一の高校にさえも受かるだろうに」 うわぁ、また出たよコレ。 こいつは自分の評判を高める為なら基本何でもするクズだ。有名高校に進学させたとなれば学校とこいつの評判が良くなる。 「約束なんです。では、失礼しました」 オレは担任の目をみて力強く答えてから職員室を出た。上手く回避できたようだ。 「失礼します。香川です」 職員室に入る時と同様、決まった言葉を言ってから職員室とは違う、木の扉を開いて校長室に入る。 「遅い!何分待ったと思ってるんだぁ?」 扉を開けるなりすぐに狂暴な言葉が飛んできた。仮にも校長室です。 「まぁ、いい。掛けろ、話しはそれからだ」 背が高く細身にスーツを纏い髪を茶色に染めた若い男が威嚇するように隼斗に告げ、先に自分の高級感漂う革の椅子に腰掛け足を組む。 皆も予想がついていると思うけどこの人校長。学校のトップです。ちなみに元族のリーダーと言う噂も。 「なんかすみません」 怖いから取り敢えず謝っておき、客人様の椅子に座る。 校長は舌打ちをしてから机の中から白い封筒を取り出す。そして、オレを睨みつけてから話しを始めた。 「いい話しと悪い話しがある。どちらからききてぇ?」
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