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元々障壁魔法っていうのは何回かの攻撃を確実に防ぐ事ができるはずだ。魔力の量に応じて防げる回数も自動的に増えてくる。
だが、今俺達の魔力が少ないとしても1撃当たっただけで砕けるとは思ってもいなかった。
「と、とにかく逃げるぞ!」
スパイルの声で俺は我に帰った。
俺達は南出口に向かって走りだした。
あと少し……あと少しだ!よし!出口が見えた!
「スパイル!やった!出口だぞ!」
俺は出口があることが当然の事なのだがやたらにはしゃいだ。
南出口を出た俺達は寮に向かっていた。
「早川あと少しで寮だ!皆にこのことを知らせよう」
俺は頷くためスパイルへ顔を向けた。
スパイルの後ろから誰かが追って来ている。そいつはマスクを顔につけ花のマークを付けていた。
そいつはスパイルに向かって手を向けた!
「スパイル!伏せろ!」
スパイルはその言葉に反応し地面に伏せた。
丁度スパイルの頭があった所を火の玉が通り過ぎた。
「ちっ。外したか」
声からすると男だろう。そいつはそう呟いたあと今度は俺に手を向けた。
「誰も逃がすなって言われてんでね。悪いが子供だろうが皆殺しの命令が出てるから…………死ね」
「【ファイアーボール】」
また手から火の玉を出した。
なんとかそれを避けた俺に男は冷めた声で何発も同じ物を撃ってくる。
1つ避けるだけでもかなり疲れるのにこれだけ撃たれると避けようが無い!
「【ウォーターベール】」
迫ってきた火が一瞬にして消えた。
「大丈夫か?早川」
そうか!スパイルは火と水を両方使える!これなら戦えるかもしれない。
「ちっ。水属性か。もっと強いやつを撃つか」
男は今度は手を空に突き出した。
「【炎の渦】」
そこらじゅうに火柱が立つ。これではスパイルの魔法が追いつかない。
くそ!まずい………。ここで終わりなのかよ!
「しかたない。アレを使うしかないか……」
アレ?一体なんの事だ?
「本当は早川に最初に使う予定だったが変更だ!お前!今のうちに逃げるなら逃げろ!死んでも知らないからな!」
それほど自信のあるものなのか?
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