4465人が本棚に入れています
本棚に追加
/439ページ
まずい!サシなら今の相手に勝てるがスパイルを庇いながらとなるときつい!
だが気になる事が1つある。煙が消える気配が無いのだ。
……スパイルの魔法はまだ続いている!
これだけは確信できた。でもどこにいるんだ?
---ゴォォォオオ!---
物凄い音が鳴りはじめた。
「あ………あれは」
敵が腰を抜かして驚いている姿が見えた。
実際俺もかなり驚いている。
だって目の前にはさっきの2倍はある水と炎のドラゴンが敵を睨めつけているからだ。
「ひぃぃ……」
敵は声を震わせながら泣いている。
「頼む……殺さないでくれ!何でもする!な!頼むよ!」
ついに敵は泣き出した。いい歳をした大人が声をあげて、しかも子供に泣かされている状態。
「お前は俺達を殺そうとした。だから俺は自分の身を守るために戦いお前を殺す。……なんか違いでもあるのか?」
しかし、スパイルはそれを軽く切り捨てた。
「……ぅうぅぅぅ」
そして、敵に手を振りかざしドラゴンを動かす。
「……【炎と水の共鳴-3舞-】
じゃあな」
炎と水が敵を挟むようにしてぶつかる。
徐々に蒸発していくため敵が物凄く哀れに見えてくる。それ程スパイルの魔法は酷かった。
そして、全てが終わった。
「大丈夫か早川?」
すぐそこにはスパイルの笑顔があった。俺はその笑顔を見て『終わった』と実感することができた。
「あ、ああ。俺はなんとか大丈夫だけどお前は?」
あれ程の魔法を使ったのだ。普通、魔力切れし気絶するかダルそうにするかのどっちかであるがスパイルはピンピンしている。
「まぁな。あれでも10分の1ぐらいの威力だからそこまでダルくは無いよ。その証拠にほら!敵は殺してない」
あれで10分の1?
スパイルが指差す方を見ると敵は火傷を負っているが確かに生きていた。てか気絶していた。
「こいつを学園が警察に突き出せば情報を探れるかもしれないからな。……さてと!こいつをどうやって運ぶ?」
結局生きていた敵は俺が運ぶ事になった。
まぁ重力系の魔法で体重変えれば片手で持てるし。
最初のコメントを投稿しよう!