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このことを知らないであろう寮の皆に早くこの事態を伝えるため、俺達は走った。
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「やっと着いたな」
走っても10分は余裕にかかってしまう。
どんだけ土地広いんだよ……。
「早く入ろう!皆に早く伝えなきゃなんねえから」
俺は頷いて寮の入り口を開けた。
普段は軽い扉だが何故か今日はとても重く感じる。………焦ってる証拠か。
扉を開けた俺達の目に入ってきたのは。
破壊された寮の姿だった。
「……な、なんだよこれ」
大理石の床はバキバキに破壊され、高級感漂う家具や女神の絵画なども破壊され散らばっていた。
「ひでぇ、学園だけじゃなくて寮までもかよ」
俺達は泣いていた。
酷すぎる。何があってこんなことになったんだよ!普通じゃ有り得ない。それに皆は?
「皆はどうしたんだ?……まさか、しん「やめろ!」
スパイルの言葉を遮る。そんな最悪な状況だけは考えたくない。
「そうだよな。まだここに居るかもしれない!探しに行こうぜ!」
俺達は寮の中を1階の部屋から1つずつ調べて行った。
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「あとは、最上階だけだ。ここに居なかったら皆は逃げた可能性大だ」
俺達は最上階の15階に来ていた。
ここもロビーや他の階と同じく酷い有様だ。
俺達は1つ、また1つと部屋を調べていった。
「あとは、この部屋だけだな」
最後の部屋、会議室と扉にプレートが架けられている部屋だ。
ここに居なかったら皆は逃げた、それか………殺された。
「な、なあ。なんか臭くないか?」
俺達は部屋の前に立ったときに扉から変な臭いが漂ってくる事に気がつく。
生臭いようなベチャッとしたような臭いだ。
「気のせいだろ?こんな状況に立たされたら誰でも嗅覚とかが鈍るからな」
スパイルは得意げに言って最後の部屋の扉を開けた。
「「!!!!」」
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