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痕跡の魔力は黒。闇属性だ。それにこの忌まわしさ、呪いのタイプだな。
これを元に探知だ。
--キイイイイィィィン
探知魔法特有の探知音が頭の中で鳴り響く。
まずは寮周辺だ。運が良ければ誰か生き残りがいるかもしれない。
………いた!生存者だ!魔力の色は青。水属性だ。……生存者はこの人だけか。
とりあえずその周辺には誰もいない。安全地帯だ。
よし、ほっといて他をあたろう。
と、俺が考え探知の距離を拡大しようとした。
---シュゥゥ
その時!さっきまで探知出来ていた青い魔力が消えた。これは魔力の持ち主の死を指す。
「……また一人、人が死んだ……」
俺は頭に手を置いて髪の毛を掻き回した。
何故消えた?
その答えはスグに分かった。奴だ、アルテミスを殺った奴が近くにいる。魔力の色は黒、忌ま忌ましい黒だ。間違えない。
「見つけた。スパイル!見つけたぞ!奴は寮の裏の広場にいる!」
俺が伝えるまで、スパイルは血まみれのアルテミスの手を握ってぼーっとしていた。
「ぜってぇ殺す。ありがとう早川」
もはや怒りで我を忘れかけているスパイルは会議室から全力疾走で広場に向かった。
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広場にはある女が先程殺した死体を眺めて高らかに笑っていた。
「あははははは。いつ見ても死体は綺麗だわ~」
死体の腹に足を置いて踏みにじる。
その言葉から彼女は過去に沢山人を殺した事があるという事を物語っていた。
「もう人は居ないのかしら~。つま~んない」
踏みにじっていた死体から足を離し死体を蹴り飛ばした。
「あらぁ?あらあら?まだ居たじゃない~」
死体を蹴り飛ばした先には息を切らしながら立っているスパイルだった。
「お前か?あんなに沢山の生徒を殺して会議室に捨てた奴は?」
スパイルから火と水の魔力が溢れ出す。
それを見て女は笑いはじめた。
「あはははは!もぉ最高!その顔!怒りと絶望に侵された顔!そうよ、私があの人達を殺した。本当に最高だわ~」
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