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---スパイル---
俺は早川に聞いた広場までやって来た。
早く奴を殺したい。復讐したい。その気持ちでいっぱいだった。
「はあはあ」
息を切らしながら広場に着いた俺の前に何かが飛んできた。人か?
それは死体だった。
またかよ!?ぜってぇゆるさねえ!
さらに、その人は俺のよく知っている人、担任のパスカル先生だった。
いきなりの光景に唖然とした俺だったがその先に女がいる事に気が付く。
あいつが……アルテミスと先生を殺した奴かよ。
女だ。身長は女にしては高い方だ。スラッとした体型に大きい目、長い髪を結んでポニーテールにしている。
見た目はかなりの美人。だが、俺はそんなことを考えていなかった。
ただただ奴の息のねを止める事しか考えていない。いや、それしか考えれなかった。
「お前か?あんなに沢山の生徒を殺して会議室に捨てた奴は?」
俺は魔力を解放する。さっきの戦いでは魔力は十分に使っていなかった。だいたい普段の4分の1ぐらいだ。
でも今は全て、完全に魔力を解放する。奴を殺す為に。
だが、こんな状況にも関わらずさっきから女は笑っていた。気持ち悪い奴だ。
「あはははは!もぉ最高!その顔!怒りと絶望に侵された顔!そうよ、私があの人達を殺した。本当に最高だわ」
最高?ふざけてるのかよ!?人殺しが?いかれてる。
「お前、頭おかしいだろ?なんであんなにも沢山の人を殺してヘラヘラとしていられる?」
女は更に大きく笑い答えた。
「だってこれが笑わずにいられるかしら。私の魔法で人が苦しんでいるのよ?面白過ぎてもう最高!」
うぜぇ。キモい。殺す。と言う言葉が頭の中に渦巻く。
さて、殺るか。
「『ファイアーボール』」
俺は手から火属性の初級魔法、ファイアーボールを放った。
速くもないが遅くもないスピードで相手に向かって飛んでいく。
俺は避けられる事を予測し、水の魔法を用意し始めた。
「きゃっ!」
………当たった?いや!これは敵を油断させる為の罠だ!
一瞬隙が出来てしまったものの相手には気づかれなかったようだ。
俺は水の拘束魔法、ウォーターゲージを放った。
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