ちょっとおじゃまします。

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俺達はできる限り奴から距離を取ろうと全力で走った。 「あ、追いかけっこですか?苦手なんですよね~」 ケラケラ笑いながら春樹も後ろからついてきやがる。 「火ならどうだ!?【ファイアーウォール】」 今度はスパイルがゴウゴウと燃える炎の壁を作り出しだした。これなら触れた瞬間火傷を負わせる事ができるかもしれないな。 「残念でした~無意味で~す【魔法調和】」 炎でさえも触れただけで消えてしまう。火傷を期待したがやはり奴は無傷。 ……待てよ?魔法がダメなら武器があるじゃまいか!よし!俺天才だ! 「【武器召喚】来い、ガルガンダ」 俺は立ち止まり、目の前に武器を召喚した。これは自分専用の武器で高等部に入ってから最初の魔法戦闘学で作った武器でもある。 ちなみに俺の武器は双剣だ。右手に握られている真っ白いのは光を司るガルと言う名の剣。左手に握られている真っ黒いのは闇を司るガンダと言う名の剣だ。その2本の剣の名前を合わせてガルガンダと呼んでいる。 「魔法がダメなら武器で攻撃すればいい」 その言葉に2人は頷き自分の武器を召喚した。 「【武器召喚】紅蓮刀」 「【武器召喚】金剛強力鎚」 スパイルの紅蓮刀は刀自体が炎の様に赤いのが特徴の剣だ。炎が好きなスパイルらしい剣と言えばそうなる。 ゲンさんの武器はそこら中に刺が生えている見るからに痛々しいハンマーだ。当たった敵は絶対に穴だらけになるな……。 これで3人の武器が揃った。後は攻めるだけ。 「自体達に掛かってる重力を軽くします。一気に攻めましょう」 スパイルとゲンさんに聞こえるように小声で言う。2人が頷くのを確認してから俺は魔法をかける。 「行きますよ。【ライトグラビディア】」 一瞬にして体が軽くなった俺達は春樹に突っ込んだ。 初撃を放ったのはスパイルだ。スパイルは居合切りの構えのまま走って行き敵が逃げない事だけ見ると居合切りを放った。 「がっ!」 よし!やったか? 春樹は後ろに吹っ飛んだ。居合切りで体は切れずに吹っ飛ぶ事に正直凄いと思ってしまったが…。
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