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『これより早川竜哉の表彰式を始めます。まず始めに魔法大臣からお言葉をいただきます』
拡声魔法で声を大きくした女性が始めの言葉を言う。
あの後1時間ぐらい部屋で待機(ゲーム)をしていた。そして呼ばれた俺は今大臣の隣で座っている。
大臣は立ち上がり礼をし話し始める。
『皆さん、良く集まってくれました。今日集まっていただいたのは他でも無い、彼が闇と光のユニゾンスペルを成功させた件についてです』
と大臣が言い終えた直後、待ってましたと言いたいばかりに拍手や歓声の嵐が巻き起こった。その時はかなり嬉しかったな。
『静粛に』
大臣は両手を挙げて観衆を静かにさせる。
『…。では、彼に挨拶してもらおうかの』
彼?…って俺かよ!?考えてねぇし!大臣無茶振り過ぎる!
大臣は俺にこっちにおいでとばかりに手招きをした。嫌だ!行きたくない!面倒臭い!
「はよせんか……これは大臣命令じゃ。もし守らなかったら…」
大臣は拡声魔法を使わず俺に聞こえるように言った。くそ!なんて卑怯な奴だ。
俺は命令を守らなかった時を予測して前に出た。鳥肌が立つ。
またもや拍手と歓声の嵐が巻き起こる。これにより俺は更に緊張してしまった。
『えーっと、俺なんかのためにこんな大掛かりな式を用意してくださってありがとうございます。えー、俺がここにいるのは上司と親友のおかげで1人の力では何もできなかったと思います。……それだけです』
なんかそれっぽい事を言って後ろに下がった。
俺が席に座ろうとしたその時。
「ユニゾンスペル見せてー!!」
と観衆の内の1人の男が叫んだ。
「そうだ!見せてくれ!」
「「見せろ!見せろ!見せろ!」」
それに反応して皆が叫び始める。
困った奴らだ。俺が信用できないと?
「「できねぇよー」」
心を読まれ否定される俺。自分がどれだけ信用されてないか知らされてちょっと鬱になる。
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