静かな夜に五のお題 その2 『指先の沈黙』
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寝物語の強請りは、決まって右手に灯す柔らかな炎。 作り物の手が橙に染まる血の通った手に触れる。 指腹をなぞり、形を確かめる様に撫でて行く固い指先。 銀の前髪が隠す表情は見えない。 ドカス、もう寝ろ。 逆手で銀の頭を押さえ付け横になった。 左手と右手、指を絡ませて握る。 冷えて固い感触が微睡みの中で薄れゆき、同化する体温にXANXUSは漸く目を閉じた。
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