二つの顔を持つ男

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慣れた手つきでショルダーホルスターに納めると、結城は出口へ向かって歩き出す。 歩を進める度に床は軋み、穏やかな空気に包まれていた店内は重苦しい殺気に支配された。 ──── 悪はこの手で葬り去る。 そう心に呟く彼の瞳は氷の様に冷たくなり、先程とはまるで別人のようだった。
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