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高層ビルが建ち並び昼間の騒がしい顔とはうって変わって、不気味な静寂に包まれた夜の渋谷。
街灯の少ない路地裏には"狂気"が潜んでいる。
連続殺人事件の容疑者として指名手配されている男の右手に握られたサバイバルナイフは、怪しい光を纏い生き血を求めていた。
そして、その魔の手から必死に逃げようとする一人の少年。
彼は速いテンポを刻む足音と荒い呼吸音を響かせながら、先がよく見えない路地を自分の勘だけを頼りに全力で走り抜ける。
────助けて！
しかし、いくら心の中で叫んでみても、助けは来ない。
もはや、恐怖で声など出るはずも無かった。
夜になる度、弱き者の血と涙が流れる、殺人が日常と化した世界。
これが西暦二〇三一年の東京だ。
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