決断

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「驚かせてごめんなさい。私の姉はあなたに愛されて本当に幸せだったのだと、改めて思ったものですから」 右手で涙を拭いながらそう話す彼女の言葉に、結城は目を大きく見開き驚きを隠せない。 「私の姉!?」 「ええ、申し遅れましたが三島優子です。あなたの元恋人、三島翔子の二つ違いの妹です」 「あなたの微笑みにどこか懐かしさを感じたのは、そうか。何度か話には聞いていた妹だったのか!」 最初から抱いていた疑問の答えに、一人納得していると彼女は続けて語り始めた。 「実は私も、姉を殺害した犯人を追っているんです。明日、朱雀がそちらに伺うと聞いて最後のお願いに参りました。 結城さん、どうか力を貸してください。姉の死の真相を明らかにして、仇を取りたいんです!」 優子はそう叫ぶと、勢い良く結城に向かって頭を下げた。
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