12人が本棚に入れています
本棚に追加
━━━━━━
「元就ッ!!」
我を庇って…
我なんかを庇って死ぬなど許さぬ…
「元親ぁッ!!」
あぁ…この男は死ぬ…
我を庇って死ぬ…
「元…就…大丈夫…か?」
無理して…話すな…
辛くなる…二度と聞けないかもしれなくなるそなたの心地よい声音…
「我よりっ…そなたが…」
だんだんと鼓動がゆっくりになる…
死ぬのだな…我を置いて…
「いい…んだ…こうして…お前を…守れたんだからな…」
止めろ…
話すな…話すな…!
「元親ぁ…」
ほら…言ってみせよ…
その口で我を愛していると!!
「泣…く…なよ…愛して…るぜ…元…な…り……」
一筋涙を流してからそなたの力強い鼓動が止まった…
二度とその口からは言葉は紡がれない…
そして我の時も止まる
「元親あぁあぁぁぁぁぁッ!!!!」
冷たくなっていくそなたの亡骸を抱き締めて名を呼んでも返ってくるはずがない…
戦は…
こんなにも大切なものをいとも簡単に奪う…
我は…終わらせるために…
愛しき者がいないこの世の戦を戦い続ける…
-End-
最初のコメントを投稿しよう!