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こほん。
光司はわざとらしく咳払いをした。
「それじゃあ、冗談と嘘はこれくらいにして。本当に何をそんなに悩んでいるのさ」
「あぁ……実は」
一度深く溜め息を吐いてから、朔真は諦念の口調で話した。
「妹たちが、中等部に入学してくる」
朔真の言葉に、光司はふむっと右手を顎にやった。
「頭皮じゃなくて、学園生活だったか」
「ムービーの件を蒸し返すな。お前、冗談と嘘はこれくらいにするんじゃなかったのか?」
「サービス期間は終わったんだよ」
「期間短かっ! そしてお前の真面目な対応はサービスなのか? フリーザ様は両手だけど」
「あんな白塗りの出家帝王と一緒にしないで欲しいな」
「あの色白と頭は地だと思うぞ」
だいたい、出家して帝王ってどんなだよ、とツッコミながら想像する朔真だが、その想像が象ることはなかった。
「僕のサービスは彼のような自分の慢心とは違う。相手の油断を誘うサービスさ」
「質悪っ! しかもサービスじゃねぇ!」
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