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少女たちはノースリーブの白いワンピースといった、無防備極まりない格好をしていた。
靴すら履いていない。
片田舎でも住宅街なので舗装路ではあるが、裸足で駆けるのは痛いはず。
しかし、彼女たちはまるで痛みを感じていないのか、先程からテンポの変わることのない駆け足をしている。
ペタペタ、と。
素足がアスファルトに衝突する。
「必ず取り戻して見せます」
金髪の少女が、
「あなたのすべてを」
自分に言い聞かせるように言った。
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