終章

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はじめてチラシを目にしたあの日から数えて、2年と半年ばかりだろうか。 とても楽しい時間が続いていた。 でも、ちょうどわたしが大学を目指して受験勉強を始めようという頃、彼との文通も終わりを迎えることになる。 ……なんてことはない。 星に帰るらしい。 たとえ星に帰るとしても、宇宙人なら超科学の力で文通ぐらい続けられたっていいだろうに。 結局いつまでも送り先は局留めだったから、郵便局に張り込んで正体を突き止めてやろうかともちょっとは思った。 けど、やめた。 彼はアルファ=ケンタウリ星人なのだ。 それでいい。 薄気味の悪いことに、彼はなぜか私の本名を知っていたようだ。 最後の手紙には「楽しかったよ、愛。ありがとう」の言葉が添えられていた。 けど、気にしない。 なんでもありだ。 だって彼は、ウチュウジンだから。 〆 はじめまして! こちらプロキシマ=ケンタウリ星人です。 どなたかわたしと文通しませんか? お返事待ってます。 木嶋瓜・♀・十五歳
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