1章

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明日使う教科書もカバンに入れたし、そろそろ寝ますかというところ。 そこにこんなとぼけた文面が目に飛び込んできて、思わず吹き出してしまうわたし。 メッセージは、安っぽい再生紙に黒一色刷りででかでかと印刷されていた。 わたしは寝る前にベッドの中で新聞の折り込みチラシに目を通すのを日課にしていて、これは明日の特売情報と地域情報広告との間に挟まっていたものだ。 あまりにあんまりなメッセージだ。 投げ遣りな挨拶。 ウチュウジン。 おまけに文通。 「有馬賢太朗・♂・十五歳」とある。こんなのと同い年なんて、なんて恥ずかしい。 日本全国の多感で繊細な少年少女の代表として、誰にでもいいから土下座の一つもしなきゃならない気分だ。 ……偽名丸出しの名前は置いといて、どこのどいつが送ったものだろう。
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