4章

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それから十日くらい経った夜。 ベッドでぬくぬくしながらその日のチラシを読んでいると、お母さんが部屋に入ってきた。 「愛ちゃん、あなた宛てでなんか封筒来てるよ」 ついに返事が来たんだ。 その封筒は、なにが入っているのか少し厚めのもので、手に取るとメモ帳くらいには重い。 待ち遠しくて仕方なかったので、ハサミも使わずびりびりと破いて封を開けてしまう。 「お返事ありがとうございます! でも、本名ですが、人間には発音できない名前なのです。 やっぱり有馬と呼んでください。 あ、これが僕の住んでいた星です……」 最初だけ読んだ段階で、もう怪しい雲行き。 同封されていたアルファ=ケンタウリ星だという写真に目をやると、これが真っ白に白飛びしていて、もはや何が写っているのやら全くわからない。 なんなのだ、コレは。 途端に殺意に近いものを覚えた。 人の話は軽く黙殺するし、付いてきたのは雪のように白い白い写真。 許さない。 こうなったらボロが出るまでアルファ=ケンタウリについて追及しまくってやる。 またしても徹夜の決意。 ニキビでも出来たら恨んでやる。
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