2人が本棚に入れています
本棚に追加
それから十日くらい経った夜。
ベッドでぬくぬくしながらその日のチラシを読んでいると、お母さんが部屋に入ってきた。
「愛ちゃん、あなた宛てでなんか封筒来てるよ」
ついに返事が来たんだ。
その封筒は、なにが入っているのか少し厚めのもので、手に取るとメモ帳くらいには重い。
待ち遠しくて仕方なかったので、ハサミも使わずびりびりと破いて封を開けてしまう。
「お返事ありがとうございます!
でも、本名ですが、人間には発音できない名前なのです。
やっぱり有馬と呼んでください。
あ、これが僕の住んでいた星です……」
最初だけ読んだ段階で、もう怪しい雲行き。
同封されていたアルファ=ケンタウリ星だという写真に目をやると、これが真っ白に白飛びしていて、もはや何が写っているのやら全くわからない。
なんなのだ、コレは。
途端に殺意に近いものを覚えた。
人の話は軽く黙殺するし、付いてきたのは雪のように白い白い写真。
許さない。
こうなったらボロが出るまでアルファ=ケンタウリについて追及しまくってやる。
またしても徹夜の決意。
ニキビでも出来たら恨んでやる。
最初のコメントを投稿しよう!