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沈黙を保つ夕暮の額から汗が一筋零れる。
「せ、先輩だったんですか?」
「さっきからそう言ってるだろう」
一筋だった汗が、二筋、三筋と増えていく。
「俺、もしかして無礼な事を言ってましたか?」
俺、なんか今日こんなのばっかと、夕暮は自身の行動を嘆く。
「まぁ。ギリギリ大丈夫だな」
「そ、そうですか」
嘆きながらも、少女‥‥先輩の言葉を聞いてひと安心。
「ところで、パートナーの名ぐらい知っときたいのだが?」
「そ、そうですね。紫水 夕暮っていいます」
なんか粋なジョークでも言おうと思ったが、事故を起こす危険性を考慮して夕暮は無難に自己紹介を済ます。
「夕暮か。私は深紅 晴妃(ふかべに はるひ)。略してシンデレラだ。」
「ははは、意味が分かりません」
目の前に立ってるのが先輩と忘れて、夕暮は突っ込む。
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