481人が本棚に入れています
本棚に追加
「‥‥‥お腹空いたぞ」
「これから入学式なんですけど。それに今出発しないと遅刻しちゃうんですけど」
「お腹空いた!」
夕暮が慣れない制服のネクタイとの死闘を終えると、後ろから晴妃の駄々が聞こえてくる。
「あぁもう!パンでいいですか?」
「目玉焼きとスープセットで」
晴妃の答えを聞いて、律義にも朝食の準備を始める夕暮。
手早くフライパンを熱して卵をポトンと落とす。
その間にパンをトーストして、カップスープを準備。
「じゃあ、後は適当にお皿に盛ってくださいね」
目玉焼きがいい具合の半熟になったのを確認して火を止める。
「うん。分かった」
これが入寮してからの、夕暮の朝の日常。
全く、晴妃さんは本当に家事が出来ないな、と思いながら夕暮は寮を出て学園に向かう。
最初のコメントを投稿しよう!