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クラス分けの紙が掲示されてる昇降口にたどり着き、苦虫を潰した表情で夕暮が紙を見つめてると後ろから。
「いやぁ。朝っぱらから険しい顔だね。もしかしてゴーヤでも食べてる?‥‥‥違うか!」
あはは!と自分で言った言葉に笑う少年に話しかけられる。
そんな少年を夕暮は冷めた顔で見つめる。
「な、なんだ。その、『うわぁ。なんかこの人ちょっと前に流行った芸人の真似して、自分で笑ってるよ。キモッ!』って表情」
よく噛まずに言えたなと感心しながらも、夕暮はこの人には関わらないようにしよう、だって絶対に火傷するもん、とスルーを決め込む。
「もしもーし!無視ですか? スルーですか? 傷ついて泣いちゃうよ俺」
「あっ!1組だ」
喧しい少年に構わず、夕暮は紙の中から自分の名前を発見。
「さてと。早速行くとしよう」
「‥‥‥すいません。そろそろ構ってください」
下駄箱に向かおうとする夕暮の目の前に泣き顔の少年が立ち塞がる。
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