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謝り続けた私は、やっぱりまだどこか情緒不安定なのかもしれない。
あの出来事に関するコトには敏感で、弱いったらない。
弱っちくて、臆病者で、いつまでも迷惑掛けてる自分が大っ嫌いだ!
「天音ッ!!」
「ッ!」
肩を掴まれて大きな声で呼ばれ、ビクッとして口を噤む。
気付けば、カルマがほっと息をついた。
「お前はなんも悪ぃコトしてねぇだろ」
「だって……」
「親は子供を心配するもんだ」
「でも……」
「俺は迷惑だなんて思ってねぇよ。やりたくてやってんだ」
「それは……」
「『お前の親に頼まれなくても』だ」
不安気に見上げる私に向けるカルマの瞳は、真っ直ぐで嘘には見えなかった。
「迷惑じゃ、ない?」
「……お前、俺を何だと思ってんだ? 」
「カルマは、優しいから……」
「優しくなんかねぇよ」
「優しいもん」
「……こう見えて結構忙しいんだよ。迷惑だと思ったら放り出してる」
「…………」
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