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(そう。"今は")
だが……エリシアがマドルカスを何とかしてしまいさえすれば。
致命的な障害は、ひとまず消え去る。
そうなれば、危険を承知でコイツをそばに置いとく理由は、何一つ、無くなる訳だ。
何、一つ。
下僕ごっこに付き合う必要も……ない。
その時にはコイツを殺そう。
この危う過ぎる人外を葬ろう。どんなに卑劣でもいい、どれだけ残酷でもいい、交わした契約をいつまでも馬鹿みたいに守ってなどやるものか。欺いて、謀って、信用させ、信頼させ、安心しきった背中を笑顔で突き刺そう。何度も。何度も。何度も息絶えるまで何度でも。
――俺は全力を以て生き続ける。生き残り続ける。
その障害になるのなら、あらゆる手段を手練をつぎ込んで、お前を――――
「…………タツシ?」
「……ああ、わかってるよ」
差し出されていた手を掴み、手を引いて進む。
"今は"、……だから甘んじてやるさ。
いつか、そう遠くはないその瞬間までは――――
「――――よろしくなエリシア」
「ええ。よろしくね。タツシ」
愛くるしい笑顔に笑顔で応えた。
……さて。
「なあエリシア。俺はな、お前が一緒に来てくれてよかったと、たった今早速だが心底喜んでいる所なんだよ」
「ふぅん?何故かしら」
「多分、俺だけは助かる」
「?」
首を傾げてるエリシアを他所に扉を開く。その前に内側から勝手に開いた。
というより、ぶち開けられた。
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