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「こぉおるあああ裁四ぃ!!! テメエ遅えだろ遅過ぎんだろが、ああん!? おつかいの一つも満足にできないようなウジムシに育てた覚えはお姉ちゃんには無い――――ってキャアアアアアアアアアアアアアアア美少女ーーーーーっっっ!!!」
「っひ!?」
ドアが枠ごと外れる勢いで開かれ怒り狂ったバーサーカー的なバーバリアン的な何かが中から飛び出しまだ鳥も鳴かない早朝にも関わらず気炎を吐いたかと思ったら絶叫して目の前の少女に抱き着いたここまで体感一秒強。
「何これ!? 何この可愛い生き物!? ふわふわでスベスベでトゥルントゥルンしてるよう! この娘たつっちんが捕まえたの? でかした!!!」
何も聞かず誘拐だと決め付けたうえで褒め称えんのか。何このおぞましい生き物。
俺の姉でした。
比良井藍さん(24)です。
フリーデザイナーやってます。
「え? えええ? な、何よ、貴女」
「わああっ声も可愛いいぃい!!もう駄目、完璧! 完璧惚れた!もう着せ替えざるを得ないねコレはもう着せ替えなきゃアパレル失格だわ、つうか人間失格?」
わかっておられるみてーで。
「ちょっと、は、離しなさいっ、この……!」
抱き締められて目を白黒させていたエリシアも己の身に迫る危機だけは嫌でも察知したらしく、藍の二の腕を下から持ち上げて脱出を試みる。
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