三、不可能避

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「…………フフン、どうやら万事滞りないみたいね。大変結構よ」 そして居なくなった途端のこの態度である。 …………………………。 「よお、そんなとこに居たのか主人様。悪ぃなーてっきり居ねえもんだと思って勝手に話し進めちまったわ」 「あら、そうだったの? 間が抜けてるんだからタツシったら」 すっとぼけやがられた。皮肉もどこ吹く風。 人を散々盾にして。あんだけ分かりやすくビクついておいて。悪びれるとか。照れ隠しだとか。ほんっとおくびにも出さねえ。 この流れで高飛車な態度がブレねえたあ恐れ入った。 「お前バカだろ……」 「何ですって!?」 「一応そのな、重々わかってるとは思うがお前今メチャクチャ格好悪ぃからな……?」 テーブルに力無く寝そべって、今度は俺が溜め息を垂れ流す。 いや冗談抜きで。はっきり言って笑えやしねえ。 「心配になってきたんだって……エリシア、お前……そんな調子でこれから大丈夫なんだろうな」
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