三、不可能避

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「どういう意味よ?」 盗み見たエリシアはえらく堂々としていた。 別にコイツがこの家に溶け込めるのかどうかとか、んな利他的な心配はしちゃいねえぞ。いつだって俺は我が身が最優先だ。 勿論これも自己中心的な話し。 「藍がいくら化け物じみてるからって、正真正銘化け物であるお前が……そんな怯えまくっててどうすんだっつーの。一年間の護衛を任せてる身としちゃ心配でなんねーぜマジで……」 「――――なっ」 対するエリシア。女子座り状態から不機嫌丸出しで言い返してきた。 「怯える? エミリュエール、この私が? 人間相手に怯えているですって?」 「おう……その通りじゃねえの?」 「違う。違うに決まっているでしょう。何をそんな――あ、有り得ない……! どう思い違えてその結論に辿り着いたというの。タツシは馬鹿だったの?」
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