7/8
前へ
/31ページ
次へ
『でな、中丸先輩の幼馴染みの上田先輩って人が居てな。凄い美形で、みんなのマドンナやってんよ~』 『へぇ…、そんな人が居たんですか?一度、見てみたかったな…』 『あっ、亮ちゃんなら…写真持ってるんやない?上田先輩と、よく一緒に居ったし…仲良かったんやろ?』 ビクッ 上田先輩と言う言葉に、今度は錦戸先輩の身体が強張る 『亮ちゃん?』 『あ、あぁ…写真な…あるで…』 錦戸先輩は、学ランのポケットから財布を出して… 中から、一枚の写真を取り出した そこには、3人写っていた 1人は、鼻が特徴的な……いかにも人が良さそうな人 もう1人は、女の子と見まがう程の美形で… これが、上田先輩なんだろう 色白の肌 クリッとした、大きな瞳 プックリした、唇 長めで、フワフワな髪 制服を着てなかったら、絶対に女の子と間違えてしまうだろう 『…えっ…』 ふと、写真の錦戸先輩を見ると… 視線は、上田先輩に向けられていて 見た事のない、愛しいものを見る瞳に… 胸が、苦しくなった 気付きたくなかった 俺は、錦戸先輩が好きなのに… 錦戸先輩の中には、この人が居る 俺の想いが、通じる事がないと思った
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

148人が本棚に入れています
本棚に追加