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『一重、五月蝿い黙れ』
背後から、ドスの効いた怒鳴り声が響いた
振り返ると、893の様な顔をした人が立っていた
『亮ちゃん、五月蝿いって…泣いてただけじゃん』
『それが、五月蝿いねん。男が泣いても、鬱陶しいねん』
『まぁまぁ、亮ちゃん。落ち着いてね、新入生の前だから』
山下先輩が、止めに入ると…
亮ちゃんという人が、俺を視界に捉えた
『誰や?』
『新入生代表の、加藤くんだよ』
『あぁ、代表か。すまんな、びっくりさせてもうたな』
その人は、顔をクシャッとさせて微笑んだ
『生徒会長の錦戸や。宜しくな』
さっき、小山に向けた形相とは……まるで別人の笑顔に
俺の心は、意図も簡単に囚われてしまった
加藤成亮 15歳
生まれて初めて、同性を意識した瞬間でした
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