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バチカル、ルーク邸付近
「やっと着いた…」
ルークが立ち止まると、鎧を着たキムラスカ軍とは違う騎士―白光騎士団の騎士に話しかけられる。
「…誰だ貴さ――まさか、ルーク様…です、か?」
鎧兜の奥から、驚愕の表情が見える。
「あぁ。俺はルーク・フォン・ファブレだ」
ルークが頷く。すると、白光騎士団の騎士は道を開ける。ルークは扉の手摺りに手をかけると、扉を開いた。
「只今戻りま…って、誰もいないか」
メイドも、使用人もいない。恐らく、成人の儀に参加しているのだろう。
ルーク達は中庭に向かい扉を開くと、泣いているルークの母―シュザンヌとその人の肩に手を置き慰めるルークの父―ファブレ公爵がいた。
「…何か入りにくい雰囲…(ドンッ!!)気ィッ!?」
鈍い音がしたかと思うと、ガイとジェイドがルークの背中を押していた。ルークは驚いて、大きな声を出す。
「Σ!?」
全員の視線がルークに向けられる。まるで「誰だ、成人の儀の最中に」とでも言いたそうに。
…だが、その表情はすぐに別の驚きの表情へと変わった。
「……ルーク?ルークか!?」
ファブレ公爵が驚きを隠せずに居ると、その言葉が終わる前にシュザンヌがルークに抱き着いた。
「ルーク!ルークなのですね!」
「あ、あぁ。ルークだけど…」
「良かった。生きていたのですね!」
シュザンヌとルークが嬉しそうな会話をしている。
「…では、改めて成人の儀を始めよう」
キムラスカの国王―インゴベルトが仕切直す。
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