帰還せし焔

5/5
前へ
/14ページ
次へ
バチカル、ルーク邸付近 「やっと着いた…」 ルークが立ち止まると、鎧を着たキムラスカ軍とは違う騎士―白光騎士団の騎士に話しかけられる。 「…誰だ貴さ――まさか、ルーク様…です、か?」 鎧兜の奥から、驚愕の表情が見える。 「あぁ。俺はルーク・フォン・ファブレだ」 ルークが頷く。すると、白光騎士団の騎士は道を開ける。ルークは扉の手摺りに手をかけると、扉を開いた。 「只今戻りま…って、誰もいないか」 メイドも、使用人もいない。恐らく、成人の儀に参加しているのだろう。 ルーク達は中庭に向かい扉を開くと、泣いているルークの母―シュザンヌとその人の肩に手を置き慰めるルークの父―ファブレ公爵がいた。 「…何か入りにくい雰囲…(ドンッ!!)気ィッ!?」 鈍い音がしたかと思うと、ガイとジェイドがルークの背中を押していた。ルークは驚いて、大きな声を出す。 「Σ!?」 全員の視線がルークに向けられる。まるで「誰だ、成人の儀の最中に」とでも言いたそうに。 …だが、その表情はすぐに別の驚きの表情へと変わった。 「……ルーク?ルークか!?」 ファブレ公爵が驚きを隠せずに居ると、その言葉が終わる前にシュザンヌがルークに抱き着いた。 「ルーク!ルークなのですね!」 「あ、あぁ。ルークだけど…」 「良かった。生きていたのですね!」 シュザンヌとルークが嬉しそうな会話をしている。 「…では、改めて成人の儀を始めよう」 キムラスカの国王―インゴベルトが仕切直す。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加