11人が本棚に入れています
本棚に追加
「以上を以って、成人の儀を終わる」
インゴベルトの一言を聞くと、皆は解散するでもなくルークに向かって行った。
「お久しぶりです、ルーク様!それにガイも♪」
とあるメイドがルークにお辞儀すると、ルークは、あぁ久しぶり、と返すとメイドは今度はガイに接近する。
「ひいっ!?」
当然、ガイは怯みメイドから離れる…と、後ろにいた人物にぶつかる。
「え、あっ失礼。」
その人物からも少し離れると、その人物に向き直り丁寧に、そして貴族らしいお辞儀をした。が、その人物は―
「…ノエル!?」
ノエルだった。いつも通り、赤い上着を着て頭にはゴーグルを装着している。
「お久しぶりです。皆さん」
ノエルは軽くお辞儀をする。
「おや、貴女も成人の儀に呼ばれていたのですか。やはり、ギンジも来ましたか?」
ジェイドがノエルに質問をする。
「えぇ、お兄さんとアルビオール4号機に乗って一緒に来ました。」
ノエルが答えると、ルークが「4号機」という言葉にひっかかる。
「ん?4号機って…」
「ほら、チーグルの森の北にキノコロードってあるだろ。」
ガイが説明を始める。
「知らないよ。行ったことも聞いた事も無いし」
「まぁ、とにかくあるんだよ。…で、そのキノコロードを抜けた先から飛行譜石が見付かったんだ」
「飛行譜石って至る所にあるんだな…」
ルークが感心する。
「そこで」ノエルが後を引き取る。「新たにアルビオールを造って、今は3号機の飛行譜石を取り付けて試験飛行中です」
「じゃあもうすぐ完成なんだな!…って、4号機は誰が操縦するんだ?」
ルークが問い掛けると、ノエルは笑顔で
「ガイさんです」
と言った。
最初のコメントを投稿しよう!