成人と旅立ちの儀

4/7
前へ
/14ページ
次へ
ND2020・ローレライデーカン・ルナ・49の日 (新歴2020年13月49日月曜日) ルーク邸 ルークの部屋 「…ですの」 切れ切れに聞こえる小さな声。 「…起きるですの!」 だんだん、ハッキリしてきた。 「御主人様、起きるですの!もう昼前―」 うざい。 眠いから余計にうざく感じる。 そんな気持ちを小さな声の主にぶつける。 「るせぇぇッ!」 小さな声の主―ミュウの声を遮りルークが怒鳴ると、ミュウは、みゅぅぅぅ、と驚いて後ろにすっ転んだ。 「…みゅぅぅぅ、ジェイドさんはもうお屋敷の前で待ってますの~」 ミュウが起き上がると、ふっくらした耳を垂れさせる。 「嘘!?ジェイド早過ぎ!」 ルークが飛び起き、机に置いてあったローレライの鍵を後ろ腰に差して軽く髪を直しミュウの左耳を掴むと、部屋を出て駆けていく。        ♪      「おや、結構早いですね」 ルークが屋敷から出れば、青いマルクト軍服を纏った男性が皮肉めいた笑顔でルークを迎える。 「おはようございますわ」 昨日とは違う服装―いつもの動きやすい服に身を包んだナタリアも城から出て来る。 「あーんみんな早いぃ」 導師守護役の制服を来たアニスや、 「間に合った…」 神託の盾騎士団の制服を着たティア、 「みんな早いな;」 いつもの服を着たガイ、 「おはようございます」 更にはノエルまでやって来た。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加