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・・・ミーミンミンミー・・・
茹だるような熱い夏。
蝉は熱いのが好きな様だ・・・。いつもに増してその求愛の鳴き声を高らかに響かせていた。
「ぅぅっ~~、熱い・・・」
寝苦しさで目が覚めた俺はその場で背伸びをする。
体が傾聴に音を立て一息する。欠伸をしながら部屋を出て、階段を降りる。
リビングには両親が朝食の準備を終え待っていた。
「おはよう"ユウ"。ご飯は出来てるから顔洗って来なさい?」
ちなみに"ユウ"とは俺の名前だ。字は咲島、氏は漢字を使わずユウ。
「おはよう・・・、あれ、父さん今日は随分早いね?」
「ん・・・あぁ、今日は仕事が早番でな。そのかわり早く帰れるんだがな」
「ふ~ん、そうなんだ。まあ、仕事も程々にしなよ? たまには家族サービスもして貰わないと・・・だからさ」
「ハハハ、心掛けておくよ」
他愛もない日常の挨拶をして洗面所に向かう俺。
鏡の前で大きく背伸びをし、鏡に写る自分を見る。
「ふぅ~・・・、来週から"夏休み"か~。とりあえずごろごろしたいな・・・・・・」
夏休みの願望を口にし、顔を洗う。朝食を食べにリビングに戻ると母さんが俺を見ている。
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