647人が本棚に入れています
本棚に追加
「ユウ?悪いけど・・・・・・」
「・・・ああ、わかってるよ。今起こしに行って来る」
俺がなぜ朝飯も食べずにまた階段を上るのか・・・・・・
それは家の家族構成を聞けば分かるだろう。
家は四人家族だ。父と母、そして俺と"妹"だ。
つまり・・・先程リビングを見た限り、三人はそこにいたが一人足りない訳だ。
そこで母さんは"その足りない一人"を起こしに行けと言おうとしたのだろう。
階段を上り終え、俺の部屋の向かいにある、妹の部屋の前に立つ。
ドアには"猛獣注意!!"と大きく書かれた板が掛けられており、その板の端に小さく"入る時はノックをしろ!!"と書かれている。
「おい、"まひる"朝だぞ!?さっさと起きろ。
じゃないと俺も朝飯が食べられん!!」
・・・・・・
返事が返って来ない。いつもの事だから気にはしないが、ここからが重要だ。
咲島家の決まりとして、"朝飯は家族一緒に食べる"てのがある。
つまり、一人でも欠けている場合"何らかの事情"が無い限り全員が朝飯を食べる事が出来ないのだ。
だから俺も目の前の妹を無理矢理にでも起こさないと朝飯が食べられないのである。
最初のコメントを投稿しよう!