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ホッと胸を撫で下ろしているとまひるが条件を出してきた。
「起きてもいいけど・・・お兄ちゃんが『可愛い可愛いまひる、大好きだから起きて?』って言ったら・・・・・・いいよ」
これもいつもの事だ。まひるが起きたくない時、俺に無理難題を押し付けて諦めさせる作戦の一つ。
だが、甘い・・・・・・
そんな"言うだけ"の簡単なものなら、いくらでもやってみせる。
第一、こっちは大事な朝飯がかかっているのだ。羞恥心の一つや二つ軽いものだ。
それに、コレを誰かに見られる訳でも無い。リスクはいつもに比べれば低い方だ。
「え~っと、かわいいかわいいまひるだいすきだからおきて・・・(棒読み)。
これでいいだろ?」
「・・・・・・・・・気持ちが篭って無い」
一言、そう返ってきた。
ボソ・・・
「・・・くそ、駄目か・・・・・・」
コホン・・・
「お願いだ、可愛い可愛いまひる?大好きだから起きてくれ・・・(全力)」
・・・・・・・・・・・・・・・
今度は返事すら無い。
だが、部屋の中で物音がするという事は、どうやら合格点だった様だ。
少ししてまひるがドアを開けて出てきた。
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