始まりを告げる夢

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永遠と。 太陽が照らしていた。 驚くほどギンギンと。 だが暑くはない。 空を見れば見渡す限りの青空。 それは一面を色づけるように。 白の画用紙を水色の絵の具でいっぱいにしたように。 ただ、穏やかに照らしていた。 それはとても綺麗で、 呆れる程に綺麗で、 ひとりぼっちで、 ただ、見ている事しかできなくて 寂しくて、どうしようもなく途方にくれていたボクでさえ、見惚れてしまうくらい 綺麗な景色だった。 だから、これはきっと夢なんだと思った。 真っ青な夢。 夢のような夢。 いつか、覚めてしまうことが分かっているのに、 それでも夢見る事を夢見てしまう。 新しい予感に胸を膨らませるような。 陽だまりの中でふと涙をこぼしてしまうような、 冬の最中に春の訪れを待ち望むような夢。
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