写った

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道端に咲いた花や、メンバーを入れての、名所撮り。 楽しすぎる一日。 夏休みくらい、彼氏を作ろうかとも思ったけど、基本的に束縛は嫌い。 だから、敢えて一人を選んだ。みんなには急かされるけど……。 そんな退屈な毎日を、一瞬で吹き飛ばした今日。 いつの間にか、メンバーとも打ち解け、写真について語ったりもした。 そう、写真の良いところは、普通では見れない、一瞬の絵を作れる事だと思う。 今は、あっという間に過ぎ、すぐに過去になるけど、写真だけはその今を、写すことができる。 最大の魅力だ。 しかも、思い出にもなる。 人間は記憶を曖昧にするけど、写真は決して曖昧じゃない。鮮明にあの時の風景を、写してくれている。 私は舞い上がっていた。 そして気づくと、もう日が沈んでいた。 すっかり暗くなった中、メンバーの一人がこう言った。 「心霊写真を撮らないか?」 はっ?
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