9人が本棚に入れています
本棚に追加
何を言ったのか、一瞬分からなくなったが、更にメンバーの一人が悪ノリし、行こうと言い出した。
まずい。
私は恐いのが苦手なんだ。そんな所に行ったら、気を失ってしまう。
女の子たちは躊躇ってるし……ここは多数決で!
「あたしも行くー!」
私が口を開こうとした、瞬間の出来事だった。
それまで迷っていたくせに、急に行くとか、有り得ない!
こうなったら、私だけでも行かない。
そう言おうとしたが、よくよく考えると、辺りは真っ暗、この辺りの地理は知らない。
行かないと言ったら最後、一人でこの闇の中を、彷徨(さまよ)う事になる。
私は喉まで出掛かった声を、呑み込んだ。
バカ騒ぎする男女。
まさかこんな事になるとは……。
すると、もう一人の女の子が、かなり怯えているのに気づいた。
そっと声を掛けてみる。
「大丈夫?」
歩きながら、思い切って話しかけてみた。
今、どの辺りにいるのか、必死に闇に目を凝らしながら。
最初のコメントを投稿しよう!