写った

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これ以上騒がれると、本当にキレてしまいそうだったので、仕方なく進んでいく。 次に、誰が入ったのかはわからなかったが、恐らくみんな侵入しただろう。 無口な男の人は、私の傍(そば)で、見守っているかのように、付き添う。 私より、あの女の子の方を心配した方が……。 六人固まって進んでいく。部屋を見つけるたび、先頭の私、無口な彼、騒がしい女、と入っていく。 先頭の私は、気が狂いそうだった。足音が変に多く聞こえるし、三人のみの会話にも、なんか変な感じがして……。 何より、私たちが部屋に入るたび、たかれるフラッシュが、一番恐い。 もし、その時、光と共に、ナニかが映ったら、間違いなく気を失うだろう。 無責任なフラッシュが、そこらで飛び交う。 彼らは、写真好きらしい一眼レフのカメラや、高性能っぽい、デジタルカメラを持ってきていたため、やたらとシャッターを切りまくっていた。 幸い、ポラロイドカメラは無く、よくテレビで見る、心霊スポットに侵入みたいなノリは、生まれなかった。 なんだかんだ言いながら、みんな一応、写真好き。そこにはこだわりを見せていた。
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